手にした器のひんやりとした感触に、ふと心地よさを覚えることがあります。そんなひとときに寄り添う素材のひとつが、錫(すず)です。
「他の金属と何が違うのか」「安全に使えるのか」といった疑問をおもちの方も方もいらっしゃるのではないでしょうか。
錫の特徴を知ることで、日常の器選びや贈り物選びの参考にしていただければ幸いです。
錫とはどんな金属?

錫は、元素記号「Sn」で表される金属で、融点が約232℃と低く、やわらかく加工しやすい性質を持っています。その扱いやすさから、古くは紀元前3000年頃の古代文明でも使用され、銅と混ぜて青銅として使われるなど、重要な役割を果たしてきました。
日本においても、錫は古くから酒器や茶器、神具などに用いられてきた素材です。
「錫の器に入れた水は腐りにくい」「お酒がまろやかになる」とも言われ、日常の器としてだけでなく、縁起物としても扱われてきました。
現代では、その落ち着いた光沢や扱いやすさから、食器やインテリアとしても広く用いられています。
錫の特徴

錫には、日常の中で心地よく使えるいくつかの特性があります。
・やわらかく、形を変えられる素材
純錫は手の力で曲げることができ、「KAGO」シリーズのような革新的なデザインは、この特性から生まれました。
・熱をすばやく伝える
冷蔵庫でわずか1〜2分冷やすだけで、器全体がひんやりと冷え、冷酒やビールをよりおいしく楽しむことができます。
・酸化しにくく、錆びにくい
鉄のように赤錆が出ることがなく、銀のように黒ずむことも少ないため、日常使いに適した素材です。
・やわらかな光沢
使い込むほどに少しずつ表情が変化し、深みのある風合いへと育っていきます。

錫が愛される理由
錫の器が選ばれる理由は、見た目だけでなく、使ったときの心地よさにもあります。
・口当たりのやさしさ
唇に触れたときの感触がなめらかで、金属でありながらやわらかさを感じられます。

・冷たさを感じやすい
冷酒やビールを注ぐと、器全体がひんやりと冷え、飲み物の温度をよりダイレクトに感じられます。

・落ち着いた佇まい
重量感とやわらかな光沢が、食卓に自然な存在感をもたらします。主張しすぎず、料理や飲み物を引き立てる素材です。

錫は安全な金属?
錫は古くから食器の素材として使われてきた実績があります。
能作の錫製品は、錫合金ではなく、錫100%製です。食品用途として設計されており、日常の中で安心してお使いいただけます。
錫の器が選ばれる理由

錫は酸化しにくく、錆びにくいことから 「朽ちにくい金属」といわれています。
そのため、日本では古くから 「繁栄」を願う縁起物として、 婚礼や長寿のお祝いに重宝されました。
時代を超えて愛されてきたその輝きは、 大切な方へ贈るギフトにもふさわしい特別感をもっています。
錫の器を暮らしに取り入れる

錫の酒器やタンブラーは、冷たい飲み物を楽しむ際に適しており、小皿やプレートとして料理を盛り付ければ、やわらかな光沢が食卓のアクセントになります。
富山県高岡市では、鋳物の技術を生かした錫製品づくりが行われています。
職人の手仕事によって生まれる品は、現代の暮らしにも自然になじみます。
初めて取り入れる際は、酒器や小皿など、日常で使いやすいアイテムから選ぶと、錫の魅力を実感しやすくなります。
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