Story
製造部錫製造課
市位 峻吾

錫を鋳造する際、製品の大きさや形状により、
鋳型に流し込む湯(溶かした錫)の温度や
流す速さの調整が必要になります。
湯の温度が高すぎたり、
流す勢いが強すぎたりすると、
鋳型内に溜まった空気が抜け切らず、
鋳物内に巣と呼ばれる
空洞ができてしまいます。
逆に、温度が低すぎる場合や
流す速度が遅いと、鋳型内で湯が回りきらず、
形が出ないことや流れ跡がしわのように
現れる湯じわが発生してしまいます。
湯の注ぎ始めと終わりで速度を変え、
微妙な調整をしながら、
常に鋳型の中の製品の形を
イメージして鋳造しています。

入社して約2年半、比較的シンプルな形状である
酒器やカップを担当しており、
KAGOなどの複雑な形状の製品は
先輩たちが鋳造します。
先輩のやり方を真似しつつ、
少しずつ自分なりの感覚を掴んできましたが、
いまだに出来が不安定な製品もあります。
日々試行錯誤を繰り返し、
より技術を磨き上げていきたいと思います。
自分たちが日々作り上げている製品が
お客様の手に渡り、
日常の暮らしの中に能作を
感じていただけていることに
喜びを感じています。
工場見学や本社オープンファクトリーなどの
イベントを通して、
さらに能作の魅力、
鋳物の魅力を伝えていけるよう、
これからも努力していきたいと思います。

製造部錫製造課
市位 峻吾
ものづくりへの思いが再燃
鋳物職人の道を志す
Favorite
職人のお気に入り
<フラワーベース – suzu – ようなし>
丸みのあるフォルムと陰影が美しく、
縦軸デザインが可愛らしいです。
ほどよい錫の重厚感も
お気に入りのポイントです。
母が普段からいろいろな花を
飾っていたので
「フラワーベース – suzu – ようなし」を
贈りました。
実家を訪れると、毎回違った花を
生けて飾ってくれている光景を目にし、
とてもうれしい気持ちになります。

フラワーベース – suzu – ようなし