Story
製造部錫製造課
今井 智子

能作の鋳物は、砂で作った鋳型に
溶かした金属を流し込んで形を作り、
その表面を目で見て手で触って、
一つひとつ確認しながら仕上げを施します。
錫100%の鋳物はやわらかく、
後加工がしにくいため、
鋳造が鋳物の質に大きく影響します。
私は錫製品の仕上げを担っており、
バフ研磨で鋳物のバリを削ったり、
形状を整えたりして
表面をきれいに仕上げていきます。
錫製品は、
製品ごとに仕上げ方が異なり、
研磨する際の鋳物を押し当てる
微妙な力加減で表情が変わってしまいます。
製品の仕上りに
バラつきがないのはもちろんのこと、
お客様の立場で自分が欲しいと思えるような
仕上がりになるよう努めています。

今年4月で勤続10年目になります。
入社してまだ浅い頃、
参加した研修会で、
「何年目から職人と思いますか?」
という問いがあり、
その時は漠然と5年くらい?
と答えました。
10年目を迎える今でも、
自分自身職人と呼ばれることに
少し気恥ずかしさがあります。
まだ錫仕上げ職人として
10年に満たない私ですが、
「ものづくりとは続けること」
だと思っています。
ものづくりにはゴールがなく、
昨日より今日、今日より明日、
この先もより良いものを
作っていきたいと思います。

製造部錫製造課
今井 智子
小学校の学習見学がきっかけで
伝統産業に惹かれ能作へ
Favorite
職人のお気に入り
<風鈴 – スリム – ピンクゴールド>
母に初めてプレゼントした
能作の製品が「風鈴 – スリム」です。
母から風鈴が欲しいという
リクエストに、
私が好きな製品を選びました。
今も自宅の玄関で
季節を問わず一年中、
美しい真鍮の音色を響かせてくれ、
日々の暮らしの音の一つとして
楽しんでいます。

風鈴 – スリム – ピンクゴールド