Story
製造部錫製造課
吉田 雅俊

錫の箸置きは製品が小さいので、
バフ仕上げの際は、特に気が張ります。
中でも、水引をモチーフにした箸置きは、
鋳物の厚みが他の製品より薄く、
手に力が入りすぎるとバフの回転で
鋳物が曲がってしまいます。
さらには、製品からわずかに
飛び出ている堰(せき)
(湯道と製品の継ぎ目部分)を
削る際、製品部分まで削りすぎないように
縁を滑らかに仕上げるのが
とても難しいのです。
また、表面に線状の凹凸が
ある複雑な形のため、
製品の一部に金属が行き渡らず、
小さな穴が開いてしまうことがあり、
その一つひとつを目視で見極め、
慎重に仕上げ作業をおこなっています。
一つひとつが手作業ゆえに、
自分の仕上げ方次第で
製品のクオリティが決まることに
責任を感じます。
まだ入社して1年足らずですが、
仕上げの水準を一定に保てるよう、
今以上に技術を磨いていきたいです。

前職は、高岡市で活動する伝統産業を
引き継ぐ若手職人や問屋の青年会などを
サポートする事務局に勤めており、
高岡の伝統産業と関わりがありました。
そこから自分自身でも高岡の伝統産業を
広めていきたいという
思いが強くなりました。
普段は工場の中にいるのでお客様と
直接お会いすることはできませんが、
製品を手に取ったお客様が
自然と笑顔になるような
製品づくりを心がけています。
今年の夏は、鋳物製作体験の
サポートスタッフとして参加し、
たくさんのお客様と
触れ合うことができました。
少しでも多くの方に能作の魅力、
高岡の伝統産業の魅力が
伝えられればと思い、日々励んでいます。
製造部錫製造課
吉田 雅俊
高岡の伝統産業をサポートする立場から
鋳物職人の世界へ
Favorite
職人のお気に入り
<香の器セット – 笹 – 錫>
以前から自宅で
お香を楽しんでいました。
錫のお香立てを知るまでは
木製のものを使っていましたが、
フォルムの美しさや、
錫の落ち着いた輝きが
インテリアにもマッチする
ところが気に入っています。
製品の仕上げにも携わっており、
愛着のある一品です。

香の器セット – 笹 – 錫