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読みもの能いもの作り

風鈴ができるまで

風鈴 - ホルン

風に揺れ涼し気な音色を奏でる風鈴。
暑くなると、その澄んだ音色に癒されますね。

能作の風鈴は真鍮製ですが、
同じ素材でもさまざまなデザインがあり、
それぞれ音色も異なります。

色も形もさまざまな風鈴

色も形もさまざまな風鈴

鋳物でつくる風鈴

能作の風鈴は、一つひとつ職人の手作り。
真鍮という金属を溶かして型に流し込み、
それを冷やして固める鋳造で製造しています。

砂の中から生まれる

能作の風鈴では、砂に少量の水分と粘土を混ぜ、
押し固めて成型する
伝統的な生型鋳造法を用いています。

鋳造はまず鋳型を作るところから始まります。

①製品と同じ形状の原型を用意。
原型の上に枠を載せ、

原型と枠

②原型の周りに砂を入れて、
砂を入れる

③押し固める。
砂を押し固める①

砂を押し固める②

砂を押し固める強さが強すぎると
原型と砂の境がずれてしまい、
弱いと型枠を持ち上げた時に
砂が崩れてしまう、繊細な作業。

④原型を抜き取る。
原型を抜き取る①

原型を抜き取る②

⑤中央に空洞を作るため、中子を入れる。
中子を入れる

⑥上型と下型がずれないように気を付けて
重ね合わせると鋳型の完成。

上型と下型を重ねる

純度を高める

真鍮は電気炉でドロドロになるまで溶かします。
真鍮を溶解する温度は1,000度以上にもなります。

溶かした金属を型に流し込む際、
金属の質が悪いと良い製品ができません。
そのため、「溶解」はとても重要な作業です。

⑦電気炉で攪拌しながら溶解。
溶解

⑧1,000度以上に熱せられた真鍮を攪拌。
攪拌

⑨不純物を丁寧に取り除いて純度を高めて精錬する。
精錬
⑩「撹拌」と「精錬」を繰り返す。

⑪溶かした金額を鋳型に流し込む。
注湯

⑫時間をかけて冷やし固め、鋳型から取り出す。
型ばらし①

型ばらし②
風鈴は、取り出すまでに約1時間、時間を置く。
砂の中でゆっくり寝かせることで心地よい余韻が生まれる。

素材の美しさを削り出す

砂から取り出した鋳物は、
職人が一つひとつ手作業で削ります。

⑬轆轤(ろくろ)という機械で回転させながら、
セン(刃物)を押し当てて削る。

ろくろ①

⑭0.01mm以下の繊細な削りで風鈴を仕上げる。
ろくろ②

素材の透き通るような美しさは、
職人から職人へと受け継がれてきた
仕上げ技術によるもの。
同じ方向への研磨することにより、
髪の毛ほど細く長い筋目ができる
(ヘアライン仕上げ)。
わずかな厚みの違いが繊細な音色を生み出す。

想いをこめて丁寧に組付け

鋳物を削って仕上げた後は、
着色やコーティングを施します。
様々なバリエーションが生まれます。

着色された風鈴。
着色後

風鈴の音が鳴るには、
風を受けるための短冊と、
風鈴の外身の縁にぶつかって
音が出す舌が必要です。

着色後

手にとったお客様の笑顔を思い描きながら、
舌と短冊を組み付けます。

⑮舌と短冊を取り付ける。
取り付け位置が音色に影響するので丁寧に。

組み付け①

⑯必ず音鳴りをチェックし適正な音に近づける。
組み付け②

⑰完成!
組み付け②

人の手が生み出すやさしい音色

風鈴 - ホルン ピンクゴールド

少しでも良い音をより長く楽しんでいただけるよう、
職人が想いをこめて一つひとつ作り上げた風鈴。
風鈴ができるまでの工程がわかると、
その音色がより味わい深く
感じられるのではないでしょうか?
お気に入りの音色を見つけて、
涼やかな夏をお過ごしください。

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